あるところにあるN高校の話をしよう。
N高校は生徒の自治を重んじ生徒会に校則の改正権限や部活動の活動費を分配割合を決定する権限を与えていた。
さらに生徒会役員の選定も民主主義的な方法をとることで一種の社会勉強としていた。
先生たちは生徒全員が部活に入っている点に注目し各部活から1名を部活内の選挙で選抜し徒会役員とするようにし、さらにその中から生徒会長を役員同士の選挙で決定することとなった。

N高校が出来た当初は運動部も文化部も同じ数同じ部員数であった。
しかし時が流れてN高校の部活事情は変化していった。


一方でN高校は非常に運動部が強い高校であったためそれを目的として進学する生徒が非常に多かった。最も部員が多い野球部は部員数60名であった。
そのほかにもサッカー部は40名、ラグビー部は50名、テニス部30名、バスケ部40名、バレー部50名であった(合計270名)。
他方で文化部は様々な理由で分裂乱立し部活動の数が15にもなったがのそれぞれの部活の部員数は10名~15名であった(合計180名)。
さてこのような制度を採用した生徒会はどのようになるだろうか。

まず生徒会の分布を見ると運動部からは6名の代表が選出され文化部からは15名の代表が選出された。当然生徒会長は文化部から選ばれる。部費の分割や校則は文化部に有利なように割り当てられ改正された。当然ながら運動部から苦情はでるものの文化部はこのように主張し制度改正に応じなかった。曰く、「運動部は部員の数も多いことからOBの数も多く、その結果OBからの寄付金を多く受け取り十分それだけでも活動できるが、文化部はそうではなく、収入は少ない。したがって、生徒会役員を多く選出しそれによって利益を得なければ活動できなくなってしまう。」

そうするうちに運動部の部員は増え続け、文化部は部員が減り続けた。

このN高校の生徒会は民主的といえるのだろうか?
この生徒会の議決は多数決によって決められたものなのだろうか?

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